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KPI設定をする上で読んでおきたい本3選 | KPIの概要やチェックリストも合わせて紹介します

2019年11月7日

実際に業務でKPI定義をする上で本当に役に立った本を、実際に20以上の大小PJ、および様々な規模・期間のチームマネジメントにてKPI設定からトラッキングまで設計した経験から3つ紹介します。

KPI目標マネジメントに関する本をたくさん読んできましたが基本知識に関してはこの3つを押さえておけば間違いないという本を絞って紹介します。

KPI設定をする上で読んでおきたい本3選

それでは早速、KPI設定をする上で読んでおきたい本3選を紹介します。

KPIおよび3冊目に紹介しているOKRの考え方を知っておくことで事業やPJのKPI設定から組織マネジメントで利用できる目標設定の知識を身に着けることが可能です。

最高の結果を出すKPIマネジメント

まず買うならこちらの本。

元リクルート系の会社でマネジメントに携わっていた中尾隆一郎さんの本です。KPIマネジメントの第一人者で何故KPI定義が必要なのかの意義から、設定する上で抑えておくべきポイントが分かりやすく記載されています。

元々KPIの考え方はリクルートから生み出されたもので、長い歴史と経験に裏付けされた話を読むことが出来ます。

ただ後半は実例を元にした話が多く、業種が異なる場合は参考にならない部分もあるため、前半だけでもよいかもしれません。

KPIとは何か?設定するためのルールや手順は?という解を見つけるには最適な本です。本記事の下部に、本書の概要を整理した内容を記載しています。

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント

2冊目としてお勧めの本です。分かりやすい実例がいくつもあり、KPIの基礎を学んだ後に実践に入る前にこちらの本を読むことでシミュレーションしている気分になれます。

こちらの本の特徴としては難しい表現がなく読みやすいことと、実例が入ってきやすいことから、すらすら読んでいけると思います。

失敗例もあるため実践前に読んでおくのが手戻りなく良いかもしれません。

またこれはどちらの本にも言えることですが、KPIは設定するだけではなく運用していくことが大事です。その点は共に書かれており、2冊を通すことでより理解が深まっていくと思います。

OKR(オーケーアール)

実はKPIを学んで実業務に取り組んでいくと考えた場合には上記で紹介した2冊を抑えておけば大丈夫です。他のKPI本もいくつか読んでいますが、それ以上の知識や気づきは得られませんでした。

2冊を読んだ後はひたすら自分の業務に当てはめてKPI策定→レビューのサイクルを繰り返すほうがよほど効果的です。

この本をお勧めする理由としては1点で、KPI以外の目的設定フレームワークを知っておくことでKPIマネジメントの長所短所を理解することが出来ますし、もしKPIを使うという手段から入ってしまっている方がいれば最適な手段を得る気づきにもなります。

OKRはGoogleやメルカリ、最近だとヤフーでも採用されていますが、目的を達成するためのフレームワークとしては同じです。

違いはKPIは定量的な指標である必要があり、この時期までにこの指標をXXXまで上げる。のような設定方法ですが、OKRは定量にこだわる必要がなくストレッチな目標を立て、達成したかどうかではなく達成度を見ることが一番の違いです。

ある程度の知識や経験を積んだ後、KPIについて更に深堀するのであれば他のフレームワークを知ることをお勧めします。

KPI設定をする上で読んでおきたい本3選 まとめ

まとめます。以下の3ステップで初動は問題ありません。

  • KPIを今から実業務で使うために必要な本は2冊であること
  • 2冊を抑えた後は他の本を読み漁るのではなく、実践で経験を積むこと
  • KPIを更に知るためには他の目標フレームワークであるOKRを知ること

最後にKPI設定は経験則によるところが大きいです。小さい領域から設定→評価→振り返りを行いKPIの質を高めていくとともに、勘所を抑えていくようにしましょう。

最高の結果を出すKPIマネジメント 概要紹介

最高の結果を出すKPIマネジメント 概要

続けて、今回紹介した3冊の中から特におすすめとなる「最高の結果を出すKPIマネジメント」の概要を紹介していきます。

こちらの内容を参考にKPIとは?KPIマネジメントを行うためにどういったKPI設定を行う必要があるのかイメージを掴んでもらえればと思います。

KPI運用のルール

まずKPIマネジメントを行う前にKPI、KGIそしてCSRを理解する必要があります。※次項で説明しています

またKPIを定める、運用する上でのルールがあります。ルールを無視して思いつきで見えている課題に対するKPI設定を行い、進み始めてしまうと高確率で失敗し手戻りが発生します。

まずはルールを把握したうえで現在課題となっているPJやサービスのKPI設定を進めていきましょう。

ここからはルールの中から特に重要なポイントを絞って紹介していきます。

KGI→CSR→KPI

まずはKGI、KPIの意味の説明からです。

KPI: 「Key Goal Indicator」の頭文字を取ったもので重要業績評価指標。KGIを分解した先にある重要な指標と目標値です。
KGI: 「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったもので目標達成指数。事業KGIであれば事業の目標達成における指標であり数値です。

例えばあるレストランのKGIとして売上1000万円を目指す場合、1000万円を分解すると客単価×来店人数になります。この客単価や来店人数をKPIに定めます。

実際は全指標をKPIとして定めるのではなく、ツリー構造で分解していった先に売上1000万を達成する上で必要となる重要指標となります。

ここで本の中で繰り返し伝えているKPIの重要なポイントとして、以下3点が重要と置いています。

  • コントロール可能な指標であるか。市場規模など、そもそもコントロール不可の指標をKPIと定めたところで打ち手がない
  • 定量化されているか。多く獲得するのではなく、XXX万人達成など定量的な目標とできるか
  • 取得が可能な数値であるか。すぐに出せるか。安定して取得できるか。そもそも可視化できない数値の場合は現状や達成可否すら判断できない

そして残りのCSRは 「Critical Success Factor」の頭文字を取ったもので主要成功要因となります。KGIを達成するために最も影響がある要因です。例えばコックの人数や設備投資費用などです。

この3つを明確にした上でKPI達成を目指した施策を検討していくステップとなります。

KGIとKPIの違い

アパレル系のインターネット上のブランドショップを例にしてみます。KGIは「売上額」、KPIは売上額には「サイトに訪れたユーザ数」や「顧客単価」などが設定されます。

この際のCSR「主要成功要因」はブランド認知をあげるためのアクション等が設定されるでしょう。

最終目標のゴールに当たる部分にKGIが設定され、KGIを達成するために必要となるプロセスの指標を表したものがKPIです。

KPI自体も「顧客単価」の計算式として「平均商品購入数」、「商品単価」など分解してツリー構造で表現されます。

KPIだけではなくKGIの設定が大事である

まず初めに実施することはKGIの設定であり、KGIの指標を事業責任者と握っていることが大前提です。

KGIがない場合はそもそも設定するところからスタートになります。大小かかわらず、そもそも数値化されたKGIがないケースも多くあります。

また重要なポイントとしてKGIの指標および目標値の合意を取ることです。

事業責任者が忙しいから、判断できないから、当然合っているだろうから、という理由で先に進んでしまうと、いくらその後のプロセスが正しいとしても、KGIが切り替わった場合に全て巻き戻ることになります。

合わせて意識すべきポイントとしてはKGI指標を極力変更しないということです。KGIの目標数値は市場や周辺の環境に左右され変動することもあるかと思いますが、指標自体は本来変わらないはずです。

悲惨な時には半年スパンで指標自体が変わる、不明になり施策を全てリセットするケースも見てきましたので、すり合わせるタイミングで長期的なKGIであることを握っておく必要があります。

KPI設定はMECEにすること

MECEとは「漏れなくダブりなく」を表現する単語です。KPI設定するうえでは欠かせない考え方になりますが、よくよく見て見ると

例えばブラウザ別の広告売り上げの例です。 ブラウザのUserAgentを見て振り分けていますが、ルールベースで振り分けを実施しており、サムスンブラウザ等の新ブラウザに対応できていません。

・Chrome
・FireFox
・Edge
・Safari

漏れの代表的な例ですね。続けてダブりのケースです。例なので分かりやすく書いていますが、こういった粒度が異なることでダブりになることはよく見られるケースの1つです。

PCのChromeブラウザの場合は2つの指標に当てはまってしまいます。

・PCブラウザ
・スマホブラウザ
・Chrome
・Safari

ブラウザ別の広告売上をきっちりトラッキングしていくうえでは主要ブラウザのリストアップに加え、Otherのような指標を加える必要があります。

コントロール不可の指標は定数化しておく

こちらもKPI設定する上では重要なポイントです。

KPIツリーを作っていくと必ずコントロール不可な指標が出てきますが、コントロールできないから不明と置くと、ツリーの計算式が成り立たなくなってしまいます

上記のケースでは前年の数値や平均値などを決めで置くことで、KPIがどこまで伸びればKGIを達成できるといった計算式を立てられるようにしておくことがポイントです。

加えてKPIツリー構造の中でも事業戦略上、重要性が低い指標も定数化してしまいましょう。

誰が見ても分かる単純なKPI設定にする

KPIを定めて終わりではなく、各メンバまで浸透させること、理解してもらうことが最も重要な点です。

そのためKPIは分かりやすく、KGIとの繋がりが見える形で組み立てることが必要です。

また言葉の認識を揃えて、部署間やロールの違いで使っている言葉の意味や内容にズレが起きないように意識しましょう。

KPI未達成時のアクションを決めておく

いつ、悪化ライン、何をするか、決定権は誰が持っているかを明確にしましょう。

KPIは達成ありきの数値ではなく、目標ベースで設定されます。当然何らかの理由で目標に届かないケースも発生します。

例えば売り上げが思ったより悪くあらかじめ引いていた閾値のXXXを下回った場合、事前に決めていたキャンペーンを打つ、決定権を握っている人に迅速に判断を委ねる。ようなイメージです。

いつ?どのKPIがどういったラインを割ったら?判断のポイントを置くのか、どういった基準で、誰が判断するのかを走り出す前に明確にしておきましょう。

KPI設定時のチェックリスト・注意点

最後にKPIを作成した後に使えるチェックリストを紹介します。

特に初めて設定した場合は、以下チェックリストに沿って設定できているか、運用できるかチェックしてみましょう。

いずれも不可欠な観点であり、チェックリストに沿った設計がされていることで手戻りのリスクが減少させることが出来ます。

  • KGI(重要目標達成指標)は関係者の合意を得られているか
  • 定めたKGI/KPI指標の目的は明確になっているか
  • KPI指標の決定理由について、全関係者に説明可能か
  • 関連するKPIツリーを構築できているか
  • 定量的な指標となっているか
  • コントロール可能な指標となっているか
  • 再現可能な数値となっているか
  • 可視化されているか
  • リアルタイム性はあるか
  • 運用ルールは定まっているか
  • 悪化ラインと体制は明確になっているか
  • 単語が指し示す意味は関係者間で認識あっているか

今回紹介した本の内容も、ある程度観点として必要なポイントは押さえる形で作成しました。若干、本の紹介部分で説明した内容と重複しています。

KGI(重要目標達成指標)は関係者の合意を得られているか

事業の目標を達成したかどうかを示すKGIの指標および目標数値が明確であり、責任者と合意を得られた数値であるのかを抑えておきましょう。

そもそもKGIがズレていると、この先どれだけ正確に論理的に組み立てられたKPIであっても全て無駄になります。

よくあるのが組織や事業目標の数値をそのまま当てはめて明確な同意なしにスタートすることです。

聞くまでもないという状態であっても目標数値込みでしっかり合意を得ておくこと、後からひっくり返されないように言質を取っておくことが重要です。

実際に確認を取ってみると、手前に明確なゴールがあったり、裏に別な目的があったり・・という可能性もあります。

定めたKPI指標の目的は明確になっているか

KPIはビジネスの方向性、戦略的な目標や優先順位を定めたものであり、何故この指標を置いたのか?が明確になっている必要があります。

KGIを取り決めた後に繋がる指標として、いくつかのKPIがツリー構造で設定されます。

様々な関連する指標がある中で、何故このKPIが選ばれたのか、他の指標と比べて優先度が高い理由は何かを説明できる状態になっておく必要があります。

KPI指標の決定理由について、全関係者に説明可能か

戦略目標に対する進捗状況の指標として、測定の選択とその選択の背後にある理由を説明する必要があります。

経緯含め全員が理解可能な言葉で翻訳して共有する必要がありますし、極力シンプル化することが必要です。

またあらゆる質問に対して論理的に返答することが求められるため事前準備も必要です。

関係者全員の理解はKPIを最大限効果的にするため、達成率を上げるために必要となります。

KPIツリーを構築できているか

KPI達成に向かって、現状の進捗状況を判断するために、関連する変数は何かを抑えておく必要があります。

関連する変数がコントロール不可の指標であっても、KPI達成の阻害要因は何かを把握するための切り分けとして利用する必要があります。

また状況把握後のアクションを明確にするためにも必要です。

KPIがどういった要素の上に成り立っている指標になるのか、KPI達成するためにどういったアクションを行っていく必要があるのかを設計する上でも必要な過程です。

KPIは定量的な指標となっているか

KPIは1つの特性を測定する数値で構成されている必要があります。

パフォーマンスの変化を明確に示すことが必要となりますし、現状を把握する上でも達成かどうかを判断するためにも必ず定量的である必要があります。

逆に言うと定量的に出来ない場合はKPIとして置くべきでない指標となりますので、関連する定量指標に置き換えてあげる必要があります。

コントロール可能なKPI指標となっているか

例えば市場規模など、そもそもコントロール不可の項目をKPIとして置いていないかを確認してください。

コントロール可否の判断は、実際に策定したKPIを利用して活動する組織やプロジェクト視点での可否となります。

コントロール不可もしくは困難である場合は定数化し、コントロール可能である項目に切り替える必要があります。

コントロール不可指標をコントロール可とするアクションが必要なケースもありますが、あくまでもKPI指標として更に上位の定量的かつコントローラブルな指標を置くべきです。

再現可能なKPI数値となっているか

KPIの指標は主観的な介入なしで値の計算式に当てはめることで、誰が算出しても、誰が見ても同じ数値となる必要があります。

そのため再現可能とするために、計算式やデータソース(元データの取得場所、取得方法など)を明確にすることが必要です。

関係者外のメンバに取得を試してもらって同一の値が出るかチェックするのも有効です。

また可能な限り上記の算出方法は責任者と合意を取っておき、関係者全員と共通認識にしておくようにしましょう。言葉の定義はあっているが細かい算出方法や前提条件が異なるのはありがちなケースです。

KPI指標は可視化されているか

KPI指標がどのように動いているか、そして目標達成に向けて順調に進んでいるかどうかが一目で分かる環境を構築することが望ましいです。

即検知できること、細かいサイクルで評価振り返りできることが理由ですが、何らかの理由で可視化できていない場合は、可視化するためにどういったタスクが必要となるかを洗い出しておきましょう。

ここで必要なのは、可視化されているかどうか、可視化するために何を実施する必要があるかを抑えておくことです。

可視化するためのコストと見合う効果があるかを検討し、見合うと判断されたら構築しましょう。

KPIは一度決めたら変更不可ではなく、むしろ細かいサイクルで見直していくべきだと考えています。運用中に想定外の事象発生や現実的なアクションでなかった等、運用継続が難しい状態になることも考えられますので、まずは多少手作業込でも数値確認できる状況にあるのであればスタートすることをお勧めします。

また精緻である必要性がないのであればサンプリング計測により可視化工数を減らす等の取り組みも有効です。

KPI指標のリアルタイム性はあるか

KPI指標は可能な限り近いタイミングの数値を確認できることが重要となります。

タイムリーなKPIは問題を改善するため、また問題に対するアプローチを変更するために行動するのに十分なサイクルで、状況が確認できる状態が望ましいです。

極端な例として1つのアクションで結果が分かるのに一ヶ月かかるような指標は適切ではないと考えます。最低でも週次、理想は日次で追っていける指標とすべきです。

KPI評価の運用ルールは定まっているか

いつどういったサイクルで誰が評価するのかを明確にしておく必要があります。

KPIは定めて終わりではなく、目標期間中の運用が最大の肝です。運用中にいかに実績値を元に評価・振り返りが実施でき、リカバリ含めたアクションに繋げることができるかが重要です。

例えば週一の定例で確認し、何をみるか、次のアクションはどう定めるか、誰が決定権を持っているか等を明確にしておきましょう。

KPI運用の悪化ラインと体制は明確になっているか

KPIとセットで定めるべきであるのが、悪化ラインと悪化ラインに達したときの体制、アクションを事前に明確しておくことです。

例えば売上目標をKGIとして掲げており、KPIとして顧客獲得数を持っていたとします。

前項での定点チェックにより異常値に振れ、顧客獲得数が取り決めたラインを下回った場合は早急に原因究明と対策検討にうつる必要があります。

上記例での取組みは原因分析、獲得アクションの見直し、体制強化等です。また実行できる権限を持った人を含めた体制にする必要があります。

特に走り出しの頃はKPI設定の品質も定まってないことが多く、スタート時に躓くことも多いです。早いタイミングで見直しをかけるためにも運用開始前に設定しておくことが重要です。

KPI指標が指す単語は関係者間で認識あっているか

よくあるケースとして、開発エンジニアと営業組織で同じものを指し示しているが、使っている言葉が違う、使っている単語は一緒だが、意味が違うといった定義のズレが起こります。

KPI設定の範囲はサービスや事業単位で設定されることが多く、そういった職種で言葉の定義ズレが発生することを防ぐために事前にKPIへの取り組みにおける用語集を策定しておきましょう。

KPI目標説明の前段のタイミングで単語の意味を伝え、共通認識を持ってもらうことが必要です。説明の過程でズレを検知することができ、修正に持っていけるメリットもあります。

特に細かいツリー構造を作っていくと中間変数の単語が指す範囲や計算式が曖昧になりがちなのでドキュメント化し、正解の定義を策定しておきましょう。

KPIマネジメントを行うためのKGI/KPI設定方法 まとめ

KPIは事業やPJなどの規模に関わらず成功かどうかを判断する上で必要となる指標です。

成否の判断がつかないと次にも繋がりません。本記事で紹介した本およびチェックリストの内容を通して適切なKPI設定とトラッキングを実施してみてください。


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