2020年より本格的に国内でも「5G」の単語を耳にするようになりました。
通信速度が速くなるのは知っているものの、具体的に何が変わるのか?5G端末に買い替えたほうがいい?各社のスマホプランって見直したほうがよい?など様々な疑問点がありますよね。
そこでこの記事では、そもそも5Gとは何か?という話から5Gのメリット・デメリットなど幅広く解説していきます。
Contents
5Gとは?いまのスマホでも利用できる?

まず5Gとは通信規格の世代を指す単語で、「第5世代移動通信システム=5th Generration」の略称となります。
2021年時点では4Gが一般的にはスマホやタブレットで外で利用するネットワークとして知られており、3Gも4Gネットワークが利用できない範囲で使われるなど馴染みのある単語かと思います。3→4から続く5世代目という意味です。
2019年頃からアメリカや韓国など19の国で5Gの商用サービスがスタートされ、日本でも2020年3月から各社が5Gサービスを打ち出しています。
よく間違えられやすいですが、Wifiなどで利用されている2.4GHz/5GHzなどの周波数帯とは別になります。
5Gネットワークを利用するためには5G対応スマホを購入し、5G専用のプランを契約する必要があります。
5Gメリット紹介【 4Gと何が違う?】

では具体的に4Gと何が違うのか、なぜ今までの通信規格のアップデートとは異なり、5Gがここまで注目を集める単語になったのか、以下3点による5Gの特徴から読み解くことが出来ます。
- 通信速度の高速化
- 多数同時接続
- 超低遅延
上記3点のメリットにより、今までのネットワークだと実現できなかった範囲にも適用できることが注目度が高い理由です。
通信速度の高速化 最大20Gbpsの通信速度
4G | 5G |
---|---|
最大1Gbps | 最大20Gbps |
4Gから5Gへの一番実感できる点としては通信速度の違いがあげられます。
最大速度での比較になりますが、4Gの約20倍の速度になります。例えば今まで動画ダウンロードで1分使っていた時間が、6秒でダウンロードできるようになります。
またこの後に記載している低遅延の仕組みも含め、理論値で通信が100倍ほどの速度になると言われています。
ブラウザによるWeb閲覧やアプリ利用など全ての利用シーンで適用されるため、あらゆる場面での快適度が格段に上がるでしょう。
多数同時接続 100万個のノードを接続しても通信可能
4G | 5G |
---|---|
10万台/平方km | 100万台/平方km |
1度の同時接続できる台数が4Gから5Gで約10倍に進化します。
あまり直接的なメリットは感じづらいのですが、こちらの進化により恩恵を受けるのはIoT分野だと言われています。
IoTとは「モノのインターネット」を指しており、スマートスピーカーやスマートホーム、自動運転などの仕組みも広くIoTとなります。
IoTが普及すればするほど、爆発的にネットワーク接続するデバイスが増加していくため、4Gでは制限がかかることも多くありましたが、各デバイスからのデータ収集や操作などを今までより多く処理できるようになり、IoT関連のサービスも急速な進化が期待されています。
超低遅延 0.001秒以下
4G | 5G |
---|---|
10ms以内 | 1ms以内 |
5Gはネットワーク遅延の性能も大きく向上します。ネットワーク遅延とはデータを送信して届くまでの時間を指します。
今までは通信のやり取りをするために様々な情報のやり取りを往復で実施していましたが、5Gで導入される「グラントフリー」という仕組みにより、データのやり取りにかかるコストが下がる=遅延無しで遅れるようになります。
4Gでは「10ms以内」とありますが、1秒=1000msです。つまり0.01秒の遅延となるわけですが、5G化することにより0.001秒以内の遅延となります。
遅延なくほぼリアルタイムに近い形でデータのやり取りを行うことが出来るようになり、自動運転や手術の遠隔操作など遅延が許されない場面にも適用できるようになります。
一般利用者のメリット
ここまで紹介した話はどちらかというと商業面のメリットが強いですが、一般的な利用者目線も恩恵を受ける場面は多いです。
5G対応した環境になることで以下のような世界に変わります。
- 動画やアプリダウンロードが数秒で完了する
- 夜など特定時間帯に遅いといった状況が無くなる
- 動画ストリーミング閲覧中に停止する状況が無くなる
- オンラインゲームで操作してからの遅延が無くなる
- Web閲覧時の待ち時間や止まってしまう状況が無くなる
ここまでの話から今回の5Gへの進化が、今までの4Gなどと比べても大きな注目を集める理由が分かったのではないでしょうか?
5Gデメリット【4Gから5Gに変更することによる影響】

ここまでに5Gの良い部分を紹介してきましたが、利用する上でのデメリットもありますので、合わせて紹介します。
5G専用プランに加入するため月額料金が高い
各社ともに5G専用プランが提供されており、いずれも通常のプランに比べると料金が高くなります。
例えばSoftbankの場合、契約後2年間は無料としているものの、5G基本料が+1000円上乗せされるプランとなっています。
もちろん5Gの多くのメリットを受けることができれば、見合う価格設定となるものの、まだまだ5Gの本格展開に時間がかかることから現状はコスパに見合わない値段と考えられます。
唯一、楽天モバイルは2980円で5G利用ができるプランを提供して話題になりましたが、まだ速度・対応エリアともに他社と比べると充分ではない状態です。
5G対応端末の購入が必要
5Gを利用するためにはDocomoやauなど通信事業者の5Gプランを契約するだけではなく、5G専用スマホを購入する必要があります。
5Gサービスの開始直後に比べると、安価な5G対応スマホは登場しているものの、2021年時点で5G対応スマホを購入するには、約5万~のスマホが主流となっており、4G専用の端末に比べると高価です。
今までのiPhone端末や様々なバリエーションで発売されていたAndroid端末で利用できないため、新規に購入する必要があります。
5Gサービススタート時は10万円~のハイエンド機種が主流でしたが、3万円ほどで5Gネットワーク対応しているAndroidスマホも出てきており、ハードルは多少下がりつつあります。
バッテリー持ちが悪くなる
いま利用している4G用のスマホに比べて、5G対応+スマホを利用することでバッテリー持ちが悪化します。
理由は2点あり、「ハイエンドスマホになるためプロセッサーの電力消費が高くなる」、「5Gを処理するための電力消費が高くなる」の2点によるものです。
当然、各社から発売される5G対応スマホは上記懸念点をなるべくクリアできるように大容量バッテリーを搭載していますが、今までとはバッテリー容量からの利用時間の見方が変わるため注意する必要があります。
またバッテリー容量が大きくなる=スマホが重くなる。という状況になります。
そのため5G対応スマホを購入する際にはバッテリー容量と端末の重さ(+幅や厚み)をチェックするようにしましょう。
5Gネットワークの健康被害 人体影響がある?
5Gネットワークが発表された際、人体への影響や健康被害の懸念が大きく話題になりました。
欧州では、2020年頭頃に5G推進に対する反対デモが起きており。オランダやスイスでも、5Gによる電磁波の健康被害を訴えるデモが発生しました。
上記の通り、5Gネットワークが世界で開始された際には様々な憶測が飛び交いましたが、以下記事では「定められた基準値を超えなければ人体に影響はない」とされています。
また以下のように、総務省でも人体への安全性に関する評価が進められています。
5G 各社対応まとめ
ここから5Gの各社状況を紹介します。Domoco、AU、Softbankの3社は2020/3より5Gサービスに参入開始しています。
また楽天モバイルも2020/9に月額料金変更無しで5G利用のプランを開始して話題になりました。
各社毎に料金プランや利用可能エリア、今後の展望など異なるため、以下より状況チェックしてみてください。
Docomo(ドコモ)対応状況

サービス詳細
・料金プラン:7650円(5Gギガホプラン) ・データ上限:100GBまで ※無制限キャンペーン中 ・サービス開始日:2020/3/25 ・利用可能エリア:提供エリア資料 ・今後の展開: 2021年3月末に全政令指定都市に導入、500都市以上に導入 2022年3月末までに人口カバー率55% 2023年3月末までに人口カバー率70% ※2020/11 瞬速5G発表報道より引用
ドコモの5Gは2020/3/25から提供済みで、一部の公共交通施設などで提供が開始されています。
現時点ではWifiスポットのように限定的なエリアに限られるため、4Gネットワークのように家庭や行く先々常に5Gが利用できる状態ではありません。
他の2社と異なり利用可能施設という形で対応スポットの案内が実施されています。ドコモショップなど屋内利用も多いことが特徴です。

各種の報道発表資料からは2021/3末を目処に500都市以上に導入、更に2022年以降の人口カバー率を含めた具体的な計画も発表されています。
ミリ波対応も各社より先行して打ち出されていることがDocomoの特徴的な点であり、2020年12月末までに全都道府県に展開と発表されています。
料金プランは5G専用のプラン加入が必要です。 5Gギガホプラン(データ使い放題)の場合、上記料金より「みんなドコモ割」、「dカードお支払い割」、「ドコモ光セット割」などを組み合わせることで5480円(税別)まで引き下げることが可能です。
※うち1000円割引分は5G加入月含む6ヶ月間の期間限定割引

従量課金タイプの5Gギガライトも提供されていますが、5G利用のメリットが無くなってしまうため、5Gギガホ一択になるでしょう。
使い放題無料キャンペーン中という立て付けにはなっていますが、大容量利用のユーザが大量発生した場合の制限をかけるためにキャンペーンという設定にしているとのことで、当面はデータ上限なしでの利用が継続されると考えられます。
またDocomoの5Gギガホのデータ量無制限はテザリングにも適用される点が大きな特徴です。
対応スマホのラインナップはサービス発表時点で国内メーカーを中心に揃えられており、中国メーカーが採用されていないのが特徴的です。
また2020/9にNTT(日本電信電話株式会社)がNTTドコモを完全子会社化したことでも話題になりました。
早速2020/12に新料金プランとなる「5Gギガホ プレミア」プランを打ち出しており、5G込みデータ使い放題プランで6650円で提供するなど、既存3社に比べると大幅な割引になるプランを発表しています。
利用データ量が3GB以下の月は1500円引きになる等、価格面で強みを打ち出しています。
2021/4からの提供予定であり、5Gネットワークの普及が本格的に始まる2021年から利用できることもあり期待が高まっています。
またdocomoは新しく5G対応の新料金プランとなるahamo(アハモ)を発表しました。
シンプルな月額2980円プランのみ、5Gネットワークに対応とau・ソフトバンクと比べて圧倒的な低価格のプランとなっています。

店頭申し込み不可でオンライン申し込み専用など、通常プランと違いはあるものの、5G=高い月額プランへの加入が必要の概念を変える内容になっています。
2021/3から開始となっています。気になる方は下記からチェックしてみましょう。
au/KDDI対応状況

サービス詳細
・料金プラン:8650円(データMAX 5Gプラン) ・データ上限:上限なし ・サービス開始日:2020/3/26 ・利用可能エリア:提供エリア資料 ・今後の展開: 2021年度末までに基地局5万局。人口の90%をカバー 2023年度末までに現4Gと同等のエリアで展開 ※2020/10/16 au記者会見の発表資料等より引用
AUの5Gは2020/3/26から提供済みで、一部のエリアで提供を開始しています。
「東京都千代田区大手町の一部」といった形での公開でDocomoと同じくWifiスポットのような形での利用になります。サービス展開直後は北海道、埼玉、千葉、東京の一部エリアのみに絞ってサービス展開されています。
今後の展開エリアについては、首都圏でも限られたスポットから徐々に対応が進んでいくと発表されています。
・赤:既に対応済みのエリア
・黄:2020年秋以降の予定

上記の通り、首都圏でも赤・黄のエリアはまだまだ少なく、2021年頃から徐々に利用範囲が実用化されるというレベルです。
そのため地方在住の方や、首都圏でも4Gと同レベルで利用するにはまだまだ時間がかかりそうです。
ただauは2021年度末までに人口カバー率を90%に、2020年内には全47都道府県で5Gサービスを開始すると発表されており、具体的な数値が発表されました。

またauもデータ使い放題プランである8650円から、家族割などの割引を組み合わせることで3460円~で利用できます。
※うち1000円割引分は5G加入月含む6ヶ月間の期間限定割引
データ使い放題プランに加えてNetFlixやTELASAなどの動画サービスが付与されるプランや、AppleMusic・Youtube Premiumがセットになったプランも別で準備されていることが特徴的です。
更にNetFlix・AppleMusic・Youtube Premium・TELASA(計3000円強)が利用し放題で5460円~で利用できるプランもあるため、この辺りのサービスを既に利用している方は費用面でもお勧めのプランです。
他にもAmazonプライムがついてくる 「データMAX 5G with Amazonプライム」など他サービスとセットでお得に利用できる複数のプランが提供されています。

auのプラン特徴はプラン内で唯一データ上限なしの設定となっている点です。
Docomo:キャンペーン中のみ無制限。終了後は100GB制限
Softbank:特定動画SNSサービス無制限。50GBまで
Docomoと違いテザリング利用での上限は設けられていますが、データ上限無しプランが存在する点は魅力です。
Softbank対応状況

サービス詳細
・料金プラン:8480円(メリハリプラン) ・データ上限:50GBまで ※特定動画SNSサービス無制限 ・サービス開始日:2020/3/27 ・利用可能エリア:提供エリア資料 ・今後の展開: 2021年中に人口カバー率90%を目標 ※サービス開始時の発表内容から引用
Softbankはいち早く3月初旬に5G提供を発表し、他2社とほぼ同時期の2020/3/27からサービスを開始しています。
提供エリアに関しては、Docomo/auと同じく首都圏や政令指定都市を中心とした一部のスポットエリア提供に留まっています。
ぱっと見、他2社よりも広く見えますが、定義を理論値的に電波の届く距離としているため、実質はほぼ変わらないと考えて良さそうです。
ただSoftbankに関しては「2021年中に人口カバー率90%を目標」と具体的な目標を掲げています。
料金プランはデータ使い放題プランである8480円から、家族割などの割引を組み合わせることで3480円~で利用できます。
※期間限定割引が2000円分あり

他2社と異なる点として、データ制限は設けられているものの、特定の動画やSNSは見放題である点です。
更にソフトバンクが提供する5G向けVRコンテンツも無制限で閲覧可など対応サービスも多く存在します。
ここまでの3社はいずれも展開エリアの状況や料金プランなど似通っており、今後の展開に加えて各社が展開するスマホと組み合わせて利用する会社を選ぶと良さそうです。
楽天モバイル対応状況

サービス詳細
・料金プラン:2980円 ・データ上限:上限なし ※楽天ネットワークのみ。auパートナー回線は月5GBで通信制限あり ・サービス開始日:2020/9/30 ・利用可能エリア:提供エリア資料
楽天も他3社と同様に5G割り当てを受けており、2020/9/30より5Gが利用可能となる「Rakuten UN-LIMIT V」サービス提供を開始しました。
他社と異なり、いままで提供していた4Gサービスにあたる「Rakuten UN-LIMIT 2.0」をアップデートする形で、特に手続き不要で5Gが利用可能となります。
更に他社と比べて、遥かに安価な2980円での提供として発表し、大きな注目を集めました。
サービス提供時点では、データ通信の下りの速度は最大毎秒870メガビットと遅く、東京都、神奈川県、埼玉県、北海道、大阪府、兵庫県の一部にとどまっています。
ただ2020/11に速度アップデート、2021年3月末までに「全都道府県でサービスを開始する」と同時に発表されており、今後の期待値が高いサービスとなっています。
格安SIMの対応状況

格安SIMを提供している事業者=MVNOは、Docomoなどの各ネットワークの通信回線を借りてサービスを提供しています。
そのため5G対応に関しても各ネットワークに基地局増加などの5Gネットワーク拡大次第となるため、各キャリアの対応状況に準ずる形となります。
MVMOへの展開に関しては、総務省からも競争観点からMVMO提供に触れていることから今後各社対応に合わせて提供されると考えられます。
5Gサービスについて、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者(以下「二種指定事業者」という。)各社においては、令和2年春に利用者への提供を開始する予定のところ、二種指定事業者とMVNOの公正競争確保の観点から、MVNOにおいても二種指定事業者と同時期に利用者への提供を開始できるようにすることが重要と考えられます。
総務省: MVNOに対する5Gサービスの提供に係る機能開放に関する要請
またMVNOサービスの中でLinksMateがいち早く月額税別500円で「5G回線オプション」の提供を開始しています。
Docomoの回線を利用しているため利用可能エリアはNTTドコモの対応状況に準ずる形となります。動作確認されている5G機種一覧もありますので、興味があればサイトを確認してみましょう。
5G 対応スマホの買い替え時期は?いつ買うのが正解?
結論としては、2020年の今5Gに無理に切り替える必要はありません。ここまで説明した内容も含めていくつか理由を説明します。
- Docomo、auともに2022年度末までに全国2万局の5G基地局を設置予定
- 3社ともに基地局数に差はあるものの、特定の場所に行って利用する必要がある
- 5Gのメリットである超低遅延・多数同時接続は2022年以降
- 料金プランの見直しと5G対応スマホ購入が必要で費用負担が大きい。得られるメリットはまだ少ない
- 通信速度アップの恩恵を受け切れていない
- 現状の4G利用による課題感が高くない
Docomo、AUともに2022年度末までに全国2万局の5G基地局を設置予定

まず決定的な理由としては、5Gが4Gと同程度に利用できると考えられているのは、おそらく2023年頃ということです。
Docomo、auは2022年までに全国2万局の5G基地局を設置予定としており、この時点で現4Gと同程度のネットワークを確保することが出来ます。
Softbankも基地局設置y亭の内容は2社に劣るものの、 2021年中に人口カバー率90%を目標としていることから、他2社と同じく2022年度末あたりの整備完了となりそうです。
つまり現状で無理に5Gスマホを購入するよりも、2022年度辺りで発売される5Gスマホに切り替えるほうが遥かにトータルでのメリットは大きいと考えられます。
3社ともに基地局数に差はあるものの、特定の場所に行って利用する必要がある
4Gとの違いとして周波数帯の違いがあり、5Gは直進性が高く遮断物に弱いという特徴があり、Wifiスポットのように特定エリアのみが利用可能という状態です。
少なくとも2022年までは同じ状態は続くと想定されています。現状、特定エリアまで行って5Gを使いたいというシーンがどの程度あるでしょうか。
5Gのメリットである超低遅延・多数同時接続は2022年以降
この記事内でも紹介しているメリットのうち、超低遅延・多数同時接続はコアネットワークが整備される2022年以降から利用可能となっています。
一般利用においても超低遅延は動作の安定化など嬉しい面がありますが、恩恵を受けることが出来るのはまだまだ先の話です。
料金プランの見直しと5G対応スマホ購入が必要で費用負担が大きい
デメリットでも書いた内容ですが、5Gプランに切り替えることで1000円~程度値上がりし、専用スマホを購入することで約10万円の費用負担が発生します。
スペックも高いスマホが多いのですが、ゲームなどの利用がなく高性能スマホを求めていない方にはオーバスペックです。
上記の負担に比べて現状ではまだ受けられるメリット分は少ないと考えます。
通信速度アップの恩恵を受け切れていない
5Gのメリットで書いた「通信速度が100倍向上する」について、あくまでも最大の通信速度であり、2021年時点での5Gに関してはそこまでの通信速度向上は期待できません。
先行導入されている韓国では、カバー率の低さや通信の不安定さから思ったより使えないという声も上がっており、安定して効果を得るにはまだまだ時間がかかりそうです。
スポットでの利用となるため、動きながら利用すると常にネットワークの切り替えが起きることも、恩恵を感じづらい理由の一つとなっています。
地図アプリなどは恩恵を受けるケースの代表例ですが、提供エリアにいた場合でも現状の5Gではスポットに入ってもすぐに抜けてしまうため、4Gでの利用とあまり変わらない状況となってしまいます。
現状の4G利用による課題感が高くない
5Gは確かに魅力的で使ってみたい衝動にはかられますが、そもそも現状の4Gネットワークで困る場面がそこまで多くありません。
速度や安定性など向上すると嬉しいポイントではあるものの、今のままでも大きな問題はないというのが実情です。
外出先のどこで利用しても利用できる状態になれば別ですが、現時点ではまだデメリットのほうが大きいです。
5Gスマホの選び方【重要な2つのポイントを押さえる】

ここまで「5Gにはまだ手を出さないほうがよい」という話をしてきましたが、いち早く体験したい方や、 5G以外に魅力的な機能を打ち出しているスマホを多く存在します。
記事内で各社から発表されている5Gスマホを紹介しますが、5Gスマホを購入する場合に選ぶ基準について紹介していきます。
バッテリー容量が大きい5G対応スマホを選ぶ
デメリットに記載したとおり、5Gスマホは通常のスマホに比べてバッテリーを多く消費します。
そのため一つの目安として「バッテリー容量が4000mAh程度ある」ことを目安に選ぶようにしましょう。急速充電やワイヤレス充電など充電周りの機能が揃っていることもチェックすることが望ましいです。
5Gの対応周波数をチェックする(sub-6/sub6・ミリ波)
5Gの対応周波数は大きく2種類あり、6GHz以下(3.7GHz帯、4.5GHz帯)の「sub-6」と呼ばれるものと、28GHzを超える「ミリ波」と呼ばれる高周波数帯があります。
国内ではNTTドコモ、KDDI(AU)、ソフトバンク、楽天モバイルの4社にそれぞれ割り当てが実施されています。
一部の国内スマホでは「sub-6」のみ対応で5G対応としているスマホも存在します。
ただし国内ではミリ波は扱いづらく、sub-6のほうが展開が容易であることから、sub-6をメインに基地局設置が行われているとのことで、大きな影響はないとされています。
ミリ波対応はドコモが先行して2020/9にサービス提供開始を発表しています。
今回、購入したスマホで5G本格普及後まで長く使いたいという方でなければ大きく気にする必要は無さそうですが、抑えておきたいポイントの一つです。
sub-6とミリ波の違いは以下の通りです。また国内のミリ波は対応スマホがまだまだ進んでいない状況です。
sub-6の特徴
・障害物の影響を受けにくく、電波が広域に届く ・4G技術の転用が可能
ミリ波の特徴
・超低遅延・超高速通信向き ・ビームフォーミングに対応 ・障害物の影響を受けやすく電波の範囲が狭い ・sub-6と比べて最大速度の理論値は早い
5G iPhone対応

2020/10にiPhoneでも初の5G対応端末となるiPhone12、iPhone 12 Proが発売され、続いて11月にiPhone 12 Pro Max、iPhone 12 miniが発売されました。
いずれも機種も日本版はsub-6に対応しており、ミリ波は非対応となっています。
また発売時点では4G利用が中心となりますが、キャリアによっては5G契約が必要になる場合があります。
購入前に以下の表からチェックしておくようにしてください。
キャリア | 対応状況 |
---|---|
ドコモ | 4G契約SIM利用可能。ただし公式では動作保証外 |
au | 4G契約SIM利用できないため5G契約の切り替えが必要 |
ソフトバンク | 4G契約SIM利用可能。ただし公式では動作保証外 |
楽天モバイル | auローミングエリア切り替えに制限あり |
SIMカード単体契約の場合は対応 | |
問題なく利用可能 |
5G Androidスマホ対応

AndroidではiPhoneよりもいち早く5G対応端末が多数発表されており、SHARPのAQUOS端末からソニーのXperiaまで国内・海外から多数のメーカーで発売されています。
発売当初は価格も10万円~と効果でなかなか手が出しづらい価格帯ですが、2020年秋頃からはお手軽に購入できる5G対応のスマホも多数発売されています。
その中でもおすすめなスマホが以下で紹介している「Pixel5」と「Pixel4a 5G」です。
どちらもGoogleから発売された初の5G対応スマホであり、おサイフケータイ対応など非常にバランスの取れた機種です。
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5G 徹底解説まとめ
ここまでの話をまとめます。まずは以下の通り、5Gスマホの購入は現時点では待ったほうが無難です。
- Docomo, au, Softbank, 楽天モバイルの4社は既に5Gネットワーク開始済み
- Docomo, au, Softbankは5Gを利用するためには専用プランの加入が必要
- 5G利用には対応スマホ購入が必要
- 現状、各社ともに限られたスポットでしか利用できない
- 5Gはまだ拡大中であり、4Gレベルの本格普及は2022年末
5G対応スマホを合わせて紹介していますが、5G対応しているからというよりは発売されたスマホの他機能や性能に魅力を感じたら購入するという考え方のほうがよいでしょう。
発売当初は10万円~のスマホが中心でしたが、次第にAndroidスマホではミドルレンジ帯のスマホの登場しており、手に入れやすくなってきています。
更に5Gについて詳しく知りたい方は、以下総務省が発表している資料が分かりやすくてお勧めです。