この記事では共にハイエンド機種帯に位置するGoogleのPixel4とSHARPのAQUOS zero2について、どちらが総合的に優れているか徹底比較していきます。
Android OSとの親和性が高くAI機能などソフトウェアも優れているGoogleのPixel4と、中価格帯でAQUOS Sense3がヒットし国内でソニーと並んでAndroidスマホで競っているSHARPのAQUOS zero2。
この2機種はAndroidのハイエンド価格帯ではいずれも人気機種ですが、スペック上どちらが優れているかを徹底的に解説します。
Contents
Pixel4とAQUOS zero2のパフォーマンス比較
早速両者のパフォーマンス比較です。価格は約2万円ほどAQUOS zero2のほうが安価な状態です。モニタサイズがほぼ同等のPixel4 XLと比較すると3万円ほどの違いになります。
Pixel4は一回りディスプレイサイズが大きくバッテリー容量も豊富なPixel4 XLも存在しますので並べて紹介します。
項目 | Pixel4 | AQUOS zero2 |
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発売日 | 2019/10/24 | 2020/1/30 ※SIMフリー版 |
OS | Android11 | Android10 |
カラー | Just Black/Oh So Orange/Clearly White | Astro Black/Misty White |
価格 | 約90000円 約115000円 ※XL | 約68000円 |
ディスプレイ | 5.7インチフルHD+(2160×1080)有機EL 6.3インチQHD+(3040×1440)有機EL ※XL | 約6.4インチフルHD+(2340×1080) 有機EL |
プロセッサー | Qualcomm® Snapdragon™ 855 2.8GHz+1.7GHz オクタコア | Qualcomm® Snapdragon™ 855 2.8GHz+1.7GHz オクタコア |
RAM | 6GB | 8GB |
アウトカメラ | 約1600万画素 + 約1220万画素 | 約2010万画素 + 約1220万画素 |
インカメラ | 約800万画素 | 約800万画素 |
ストレージ | 64GB/128GB | 256GB |
サウンド | ハイレゾ対応 | ハイレゾ対応 ※ハイレゾ対応のヘッドセットやスピーカー(別売)が必要 |
通信機能 | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac |
SIMカードスロット | nanoSIM | nanoSIM |
デュアルSIM | あり(DSDV) ※nanoSIM+eSIM | あり(DSDV) |
SDカードスロット | 非対応 | 非対応 |
認証 | 顔認証 | 顔認証、指紋認証(画面内) |
バッテリー | 2800mAh 3700mAh ※XL | 3130mAh |
コネクター | USB-C™ USB | USB-C™ USB |
重さ | 162g 193g ※XL | 約141g |
幅 高さ 厚み | 147.1mm × 68.8mm × 8.2 mm 160.4mm × 75.1mm × 8.2 mm ※XL | 約158mm×約74mm×約8.8mm |
ヘッドホンジャック | 無し | 無し |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
防水 | 対応(IPX8) | 対応(IPX5・IPX8) |
防塵 | 対応(IP6X) | 対応(IP6X) |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
FeliCa⁷ | 対応 | 対応 |
NFC | 対応 | 対応 |
ワイヤレス充電 | 対応 | 非対応 |
急速充電 | 対応 | 対応 |
Pixel4とAQUOS zero2のスペックの違い
OS Pixel4はAndroid11搭載

ともに発売日が2019年後半ということもあり、最新のAndroid10が搭載されています。
またGoogle製スマホのPixel4の強みとなる部分ですが、Pixel4は「最低 3 年間の OS アップデートとセキュリティ アップデート」があり、基本的には最新OSもいち早く体験することが出来る機種です。
既にAndroid9あたりでベースの機能は完成された感もありますが、いち早く新OS・新機能を試したいという方はPixel4を初めとしたGoogleスマホ購入をお勧めします。
2020/9にリリースされたAndroid11対応にもPixel4が既にリリース済みです。
AQUOS zero2へのAndroid11配信は現時点で未定ですが、SIMフリー版に開発者向けのAndroid 11 Developer Preview Programが配信されており、早いタイミングでの配信が期待できます。
プロセッサー、RAM性能

プロセッサー性能は共に同じSnapdragon™ 855が搭載されています。他にもGalaxyS10やZenfone6などの高スペックAndroid端末にも搭載されているプロセッサーです。
トップクラスの性能でミドルレンジ帯と一番差が出る部分です。ベンチマークはいうまでも無く圧倒的なので、 3Dの重たいゲームや動画編集なども全く問題なくストレス無しで楽しむことが出来ます。
RAMは多少差がありPixel4の6GB搭載に比べてAQUOS zero2は8GBとなっています。ハイエンド価格帯では8GBが主流で12GBもある中で6GBは多少物足りない印象を受けます。
ただiPhoneと同じく、Pixel4はハードウェア・ソフトウェアOSともに同じ会社=Googleという点が大きな強みです。
各種アプリ起動やChromeブラウザ利用時など細かい点でPixel4のほうが有利に働くケースも多く、単純なスペック差ではない部分でGoogleを選ぶという選択肢もあります。
またディスプレイに関してはPixel4 XLがQHD対応している点がポイントです。多少価格は上がるもののディスプレイを重要視する方はpixel4 XLも含めて検討してみてください。
カメラ性能はAQUOS zero2

両者とも大きく差がないですが、アウトカメラはスペック表だけでみると多少AQUOS zero2のほうが優れています。インカメラは同等です。
Pixel4には以前のPixelスマホから定評のあるAIと機械学習を駆使したソフトウェアで補完する形になっており、スペックよりも遥かに(人間の目で見て)キレイな写真が取れます。
また今まで単一カメラを提供してきたGoogleがデュアルカメラを採用しているところもポイントです。AQUOS zero2もデュアルカメラでAI搭載ですが、ソフトウェアではGoogleのほうが優勢です。
ただ両者ともカメラ性能に重きを置いていないことと、カメラ性能だけで見るとXiaomiやHuaweiのほうが遥かに優れているためカメラに拘りが強い方は価格に見合ったパフォーマンスではないかなという印象です。
ストレージ性能

ストレージはPixel4は64GB/128GBの2種類、AQUOS zero2は256GBです。
AndroidはSIMカードスロットでストレージ補完するため、あまり気にしてみる部分ではないのですが、この2者に共通している点としてSDカードスロット非対応という点です。
カメラ多用したり電子書籍で漫画など多くダウンロードする人は64GBあっという間なので128GBを選びたいところですが、一気に購入店舗が減り価格も上がってしまいます。
クラウド保存サービスなども充実してきていますが、この辺り気になるようであればAQUOS zero2のほうがよいでしょう。
無線機能
ともにWi-Fi 802.11a/b/g/n/ac の対応ですが、iPhone11が対応している Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) というWifi規格にはサポートできていません。
発売日が2019年後半かつ高価格帯なスマホでもあり、 iPhoneとの比較になりますが多少マイナスとなる点です。
まだまだ普及は進んでいないため大きなデメリットではありませんが、押さえておきたいポイントの1つになります。
デュアルSIM仕様
Pixel4とAQUOS zero2はDSDV形式に対応しているため、4G回線にてSIMカードの2枚利用が可能になっています。詳しく知りたい方は以下記事を参考にしてみてください。
ただPixel4はnanoSIMとeSIMのデュアルSIM構成となっているので注意する必要があります。
認証方式

Pixel4は顔認証のみと以前にはあったPixelから指紋認証が外れました。AQUOS zero2は指紋認証+顔認証のため、機能的にはAQUOS zero2のほうが優れています。
またAQUOS zero2の指紋認証は画面内の認証になるため、カバーつけて実質使えない・・ということもありません。
ただ昨今の顔認証技術の進歩は早く、誤検知無し・一瞬でロック解除できるレベルなので、正直顔認証だけでも何不自由ないです。
ただ暗闇だったりサングラスや眼鏡有無なので、認証しづらい部分はあるため顔認証は注意が必要です。
更に各アプリ内の認証は指紋認証のみ対応しているケースも多いため、利用シーンによっては指紋認証有無は大きな違いとなります。
バッテリー性能
Pixel4は2800mAh/3700mAh(XL)の2種類があり、AQUOS zero2は3130mAhと極端にバッテリー持ちが悪いということもありませんが、他のAndroidスマホと比べると価格と比較して物足りない部分はあります。
AQUOS zero2は電池持ち時間は約90時間、Pixel4は公表されていませんが2800mAhという数字は正直バッテリー容量が少ないです。
プロセッサーが優秀であることからバッテリー消費も高く、ともに顔認証が主流となるため、更にバッテリー消費は多くなってきます。
Googleの人いわく通常利用であれば1日は問題なく持つという話ですが、使用頻度が多い方はモバイルバッテリー必需品となりそうです。
Pixel4 XLは比べるとバッテリー容量多く見えるものの、ディスプレイも大きくなるため消費電力は上がります。
重さ、幅、高さ、厚み

AQUOS zero2の最大のメリットになりますが、重量が約141gとスペックからはあり得ないくらいの軽さです。
ディスプレイ6.4インチから150gを下回るスペックは衝撃的で、とにかく軽くて高スペックスマホを探している人は他のデメリットを除いても買わない理由がないレベルのメリットだと感じました。
実際に店舗で持ってみましたが、他スマホに比べても明確に違いを実感できます。
Pixel4に関しても他Android端末に比べてディスプレイサイズに対しての重さ、幅、高さは優れています。特にXLではないPixel4の8.2mmはかなり持ちやすく、ディスプレイサイズ的にも操作性に優れている機種です。
防水・防塵機能 両機種ともに対応

ともに最高レベルの防水・防塵機能を誇っています。以下が両者の等級に対するテスト方法です。
・防水→水面下での利用が可能
・防塵→粉塵の侵入が完全に防備されている
お風呂や台所など水がある場所での利用でも全く問題なく利用可能です。
この辺りにきっちり対応できているのはハイエンドスマホのメリットですね。
おサイフケータイ、Felica、NFC対応 両機種ともに対応

Pixel4、AQUOS zero2ともに対応しています。
最近はAQUOS sense3など価格も抑えつつおサイフケータイ対応スマホも多く出てきているため優位性にはなりませんが対応しているのは安心できます。
ワイヤレス充電・急速充電
急速充電にはPixel4、AQUOS zero2ともに対応していますが、AQUOS zero2はワイヤレス充電機能に対応できていません。
普段からワイヤレス充電を利用している方はマイナスポイントになります。
比較まとめ
高価格帯の中でSDカード非対応など特徴としては似通っている両者の比較でした。以下に比較内容をまとめます。
- 価格に対しての性能差はAQUOS Zero2のほうが優秀
- 大きいディスプレイサイズが良い場合はAQUOS Zero2がおすすめ。Pixel4 XLは価格が高くなるためコスパが悪い
- コンパクトかつパワフルなスマホを求めている場合はPixel4
- 軽さを重要視する場合は圧倒的にAQUOS Zero2
- おサイフケータイ対応や急速充電、防水・防塵など基本的な部分は共に抑えている
- Pixel4、AQUOS Zero2ともにバッテリー容量には不安あり
Google Pixel4は多少ストレージとバッテリー容量が難点ですが、大きく気にならない方はバランスに優れた機種だと感じました。
AQUOS zero2はとにかく軽さが魅力的です。6.4インチサイズで軽いスマホを探している場合は実質一択だと考えます。
またAQUOS zero2は発売時は10万円ほどのハイエンド機種でしたが、大きく値下がりしておりコスパ観点では非常に優秀なAndroid端末になっています。