子供が打ち込める何かを見つけたい、隠れた才能を早くから伸ばしてあげたいという親御さんにとって、大きな関心となるのが習い事です。
最近では習い事を始めるならなるべく早くからという方も増えてきており、従来の習い事にも幼児向けのコースが登場するなど早期教育のニーズが高まっています。
一方、習い事には興味はあるけれど「うちの子にはまだ早いのでは?」「早くから習い事をするメリットはあるの?」という親御さんも多いのではないのでしょうか。
今回は、早期教育や習い事の必要性への疑問をふまえ、メリットやおすすめの習い事、留意点などについてご紹介していきます。
幼児の早期教育や習い事は必要?
そもそも早期教育って?
早期教育とは、小学校に入る前の幼児期(未就学児)から家庭で読み書きなどを教えたり、英語や水泳、ピアノなどの習い事を早い段階からスタートすることをいいます。
最近では胎児の頃や乳児期から行うものもあり、超早期教育と呼んだりもします。
近年は習い事の早期化が進んでおり、2019年の調査によると約半数以上の52.5%の子どもが、習い事を小学校入学前の0歳~6歳から始めているというデータもあります。
脳の発達から見た早期教育
幼児の早期教育や習い事の必要性についていくつかの観点から見ていきます。
幼児期とは一般的には1歳から小学校に入学する5、6歳頃までの期間のことをいいます。
多くの子供にとってこの期間は体の機能が大きく発達し、知的好奇心が旺盛で何にでも興味を持つなど脳と体の成長が著しい時期です。
特に身体の成長は18歳~20歳頃まで続くのに対して、脳は3歳頃までには80%、6歳までに90%が完成すると言われています。
このような幼児期の脳の発達については、世界的な子供の支援活動でも有名なユニセフの「世界子供白書2001~幼い子どものケア〜」においても触れられており、幼児期が子どもの人生にとって非常に大きな影響を与えることが言及されています。
「子どもが3歳になるまでに脳の発達がほぼ完了する」
「わずか36ヶ月の間に子どもは考え、話し、学び、判断する能力を伸ばし、成人としての価値観や社会的な行動の基礎が築かれる」
世界子供白書2001〜幼い子どものケア〜 第1章「なすべき選択」
このように、その後の成長の土台となる性格・思考パターンや、考える力、創造力、解決力などの地頭の良さは、幼児期の体験が大きく影響すると言っても過言ではありません。
人生で最も脳の成長が著しい幼児期は、その後の発達や大人になってからの能力発揮につながる力を養うのに、とても適している時期であると言えます。
早期教育のメリットや知育効果は?
有名人やスポーツ選手の生い立ちを見ると、小さい頃からの習い事や興味のあるものとの出会いを通して傑出した才能を培ってきた体験がよく聞かれます。
スポーツ選手に限らず、幼児期から早くに早期教育や習い事を始めていた子供は何らかの特技を持っていたり、打ち込める何かを持っていることが少なくありません。
2009年に文部科学省が発表した「幼児教育の無償化の論点」においても、幼児期への投資による学力や社会性の向上といった様々な教育的効果が紹介されています。
このようなことから、早期教育で子供の能力が開花しやすい理由や期待できる知育効果として以下のようなことが考えられます。
子供の能力発揮につながる理由
・幼児期は脳の成長が著しく固定観念も少ないため、知識や感覚を吸収しやすく伸びしろが大きい ・早くから始めることで人より多くの経験年数を積むことができる ・小さい頃から繰り返し取り組むことで特定の分野への深い興味につながっている ・基礎体力や考える力といった幅広い分野に役立つ力が早期教育によって身についており、特定の分野に限らず才能を発揮しやすい土台がある
早期教育の知育効果
・体を使うことで体力や身体能力が鍛えられる ・自分で考える力や創造力、判断力、幅広い言語能力が育つ ・成功体験を通して自信や自己肯定感、やり遂げる力がつく ・成功体験を通して自信や自己肯定感、やり遂げる力がつく ・挨拶などのコミュニケーションや集団行動などの協調性が自然と身につく
早期教育や習い事は子供の能力を伸ばしたり才能を開花させるきっかけとなり、様々なメリットを得られる可能性を秘めていることが推察されます。
幼児の早期教育や習い事は必要?
幼児期の早期教育や習い事は子供に様々な嬉しい効果を与える可能性があることから、必要性を感じている方も多いです。
ただ必ずしも必要という訳ではなく、生活の中で自然と身につくことや工夫をすれば自宅で出来るようなこと、習い事をすることでしか身につかないこと、といったメリットや必要性をよく考えた上での選択にしましょう。
特に幼児期においては能力を獲得することだけではなく、あくまで子ども自身の興味や、やる気を育て「出来た」という成功体験を通して、自信や自分で取り組む姿勢を養うことが大前提となります。
必要であるかというよりは、子供のやりたいという気持ちを大事にすることで、結果的に早期教育や習い事の様々な良さを実感することができるでしょう。
幼児の習い事は何歳から?
子供への嬉しい効果が期待できる習い事ですが、幼児期の習い事は何歳から始めるのが良いのでしょうか?
2019年に、小学館にて保護者200名に実施した調査では次のような結果となっています。
調査の結果から、ある程度周りとのコミュニケーションが上手に取れるようになり、基本的な運動能力が身につく3、4歳頃から習い事をスタートするケースが多いことが分かります。
0歳や1歳の赤ちゃんは少数派ですが、リトミックや水泳のベビークラスなど赤ちゃんでも通えるクラスに通っているという意見もあります。
ちなみに習い事を始めた理由としては以下のような結果となっており、最初のきっかけとしては親からのアプローチが多く、子供としては身近な人の影響で興味を持つことが多いです。
習い事を始めた理由
親の意向:61.2% ・体力づくり、運動能力向上のため ・子供の可能性を伸ばしたいから ・子供の好きなこと、得意なことを増やしたいから 子供の意向:38.8% ・兄弟が習っているから ・その分野が好きだから ・友達が習っているから
このように始める年齢や理由にも様々なパターンがあり、一概にこの年齢からというルールは基本的にはありません。
そのため子供の身体能力やコミュニケーション能力が、最低限その習い事をするのに達しているかどうか、子供の興味関心に合ったものかどうかといった点が1番の判断基準となります。
その上で子供がやりたいと言うのであれば、それが1番ベストなタイミングであると言えるでしょう。
0歳から2歳・3歳・4歳におすすめ 人気の習い事を紹介
ここからは習い事の適齢期である、0歳から始められるリトミックから、2歳・3歳・4歳の子供に人気のおすすめの習い事をご紹介しましょう。
感受性や表現力の強化に繋がる音楽関連や、体を動かすことで心身の成長に繋がるスポーツ関連などおすすめの習い事を、メリット含めて紹介します。
おすすめの習い事① リトミック
リトミックはリズム体操や音遊びなどの音楽教育を通して、楽しみながら心や体を育てることを目的とした習い事です。
元々はスイスで音楽家の養成のために創案されたものでしたが、児童心理学、生理学の観点からもその知育効果が認められ、幼児教育の分野にも広く応用されてきた歴史があります。
現在では幼稚園や子育て支援センターなどでも人気の活動講座となっており、年齢を問わず楽しく取り組める身近な習い事のひとつです。
リトミックのメリット
・リズム感や音感などの基本的な音楽性を育む ・音楽のリズムに合わせて体を動かすことで、反射能力や基礎的な身体能力が身につく ・集中して取り組む力や自由な創造力を養う ・コミュニケーションを通して社会性や協調性を育てる
リトミックでは集中して音楽を聞き、音楽が止まったら自分も止まる、曲から感じたイメージを即座に動きで表現するというような即時反応を大切にしています。
色々な曲調の音楽や音のリズムに合わせ直感的に体を動かすことで、子供の成長にかかせない幅広い力を穏やかに伸ばすことができるのが特徴です。
またリトミックは赤ちゃんでも楽しむことができ、親子で参加可能なものも多いため、他の習い事に比べ0歳頃からと低年齢から安心して始めることができます。
クラスは年齢ごとに発達に合わせた内容となっており、比較的活動も穏やかなものが多いので、初めての習い事としてや、他の習い事に先立って基本的な能力を身につけたいというお子さんにもおすすめの習い事です。
おすすめの習い事② 英語・英会話
将来の学業、職業に生かせる習い事として人気なのが英語・英会話教室です。
身近なところにも英語があふれるグローバルな現在、「将来的に英語を喋れるようになっておいて欲しい」「そろそろ我が子にも英語教育を」という親御さんも多いのではないでしょうか。
2020年からは小学校での英語教育が必修になるなどその必要度はますます高まっており、小さいうちから英語に触れておくメリットは更に大きくなっていると言えます。
英語・英会話教室のメリット
・英語力が小さい頃から身につくことで将来の学業に役立つ ・英会話を通してコミュニケーション能力や自分の意見を伝える力が身につく ・国際的な感覚や価値観に触れることができる ・英語が喋れることで子供の自信になる
英語・英会話教室の幼児クラスは、カラフルな教材や歌などを用いての授業も多く、まずは子供が英語に興味を持ち、楽しく英語力を伸ばす工夫がされています。
文法や発音の違いから英語への苦手意識が強いと言われる日本ですが、幼児の頃から日常的に英語に慣れることで苦手意識や抵抗感を減らす効果が期待できます。
9歳の壁※という言葉があるように、9歳前後には英語を聞き取れる範囲が普段聞いている音に固定されてしまうとも言われています。
※勉強や人間関係などでつまづいてしまうなど、様々な点で起こりうる問題を指す言葉
英語耳を育てるには早くから英語に慣れておくことは大きなメリットとなるでしょう。
英語に慣れることがメインの0歳~2歳のクラスもありますが、本格的な学習的効果を期待する場合はアルファベットや単語の読み書きができるようになる3歳~4歳頃がおすすめです。
もちろん開始が早い方が効果は期待できるため、0歳から始めても問題ありません。
おすすめの習い事③ 体操
「子供の体を鍛えたい」「体育の授業で困らないようにしたい」という親御さんに人気となっているのが体操です。
幼児の体操教室はマット運動やストレッチ、トランポリンなどを使い基礎的な体力の向上をメインとしており、激しい運動が苦手な子供でも自分のペースで取り組むことができます。
有名な体操競技のオリンピック選手の中には、小さい頃から体操を習っていたという体験談も多く、子どもが憧れを持ってはじめる子も多い習い事です。
体操のメリット
・全身をバランス良く使い身体能力や体幹を鍛えることができる ・体の柔軟性がつき少しのことで怪我をしにくくなる ・跳び箱やマット運動など体育の授業で困ることが少ない ・「これが出来た」という達成感が持ちやすく、課題をクリアしていくことで自信がつく
幼児期は筋肉が柔らかくて伸びやすく、柔軟性が身につきやすい時期です。
体操で身につく「自分で思ったように体を動かす能力」は体操以外のスポーツなどでも発揮することができるため、将来的にも大きなメリットになるでしょう。
始める時期は、自分でしゃがんだりしっかりと立ち上がる、歩く、ジャンプするなど、ある程度の運動機能が備わった3歳頃がおすすめです。
また、ある程度指示を聞ける、順番を待てるなど周りとのコミュニケーション能力が身についていることも、体操を始める目安のひとつとなるでしょう。
体操教室によっては1歳~2歳頃から親子で参加可能な低年齢向けのコースもあるため、希望に合った体操教室を探してみるのもおすすめです。
おすすめの習い事④ ダンス
音楽に合わせて踊ることで、リズム感や協調性、運動能力を楽しく伸ばせる習い事として人気が高まっているのがダンスです。
小中高での必修科目となったことでも改めて注目を集め、最近ではYouTubeやテレビ番組でダンスが話題になることも増えてきました。
ダンス教室では音楽や振り付けに合わせて体を動かしたり、チームでのダンスに取り組むなど、体を動かすことや踊るのが好きな子供にとっては、能動的に取り組めるおススメの習い事です。
ダンスのメリット
・運動神経や持久力を踊りながら楽しく高められる ・音楽を体で表現することでリズム感や創造力、自己表現力が育つ ・人前で踊ることで度胸や積極性が生まれる ・仲間とのコミュニケーション能力や周りに合わせて踊る協調性が育つ
ダンスは人前で踊ったり、自分を表現する経験を小さい頃から体験することができます。
最初の恥ずかしさを払拭し、自信や積極性が育つことで、人前で何かをすることへの苦手意識が少なくなるなど、大きくなってからも様々な場面で役立つ力を身につけられる効果があります。
しっかりと自分で体を支えて立つことができる、振り付けの真似ができるなど、自分の思ったように体を動かせる力が備わった年齢からスタートすることができます。
また、先生の言っていることが理解できたり意見を伝えられたりとある程度のコミュニケーションが可能な年齢の方がスムーズなため、3~4歳辺りがスタート時期に適しているでしょう。
0~2歳の間は音楽教育がメインのリトミックを利用し音楽に合わせて体を動かすことに慣れ、踊りに興味が出た頃にダンスに移行してみるというステップもおすすめです。
おすすめの習い事⑤ 水泳
体を鍛える習い事として根強い人気があるのが水泳(スイミングスクール)です。
水泳は浮力と程よい抵抗力のある水の中で、全身運動を行なうことで肺活量や筋力が鍛えられ、子供の体力づくりに高い効果があると言われています。
最近では学校の水泳の授業だけでは回数や内容に限りがあり、なかなか泳げるところまで行きつくことが難しくなっています。
長い人生の中においても泳げるようになっておくに越したことはないので、必要なスキルを身につけることができる水泳はメリットが大きい習い事といえます。
水泳のメリット
・全身運動により基礎体力や肺活量、筋力を鍛えられる ・泳げるようになることへの達成感や粘り強さが生まれる ・仲間と泳ぐ楽しみや向上心を育む ・水への苦手意識が少なくなり水泳の授業に困ることが少ない
子供の頃に覚えた泳ぎは大人になっても体が覚えており、基本的に忘れることはありません。
大人になって泳げるようになろうと思うと苦手意識と相まって大変な労力が必要になりますので、小さい頃から泳ぎを身につけておく意義は大きいと言えるでしょう。
親子で参加でき触れ合いや水の感覚を楽しむ0歳~1歳頃のベビークラスもありますが、1人で水泳を習うとなると3歳~4歳頃がおすすめです。
幼児期においてはどちらかというと、競泳というよりは、まずは水に慣れたり泳ぐ楽しみを培う時期となります。
水に苦手意識を持つ子供も多いため、早めに3歳頃からプールや水泳に慣れておくことは大きなメリットがあります。
おすすめの習い事⑥ ピアノ
音楽の習い事として1番ポピュラーで人気が高いのがピアノです。
最近では、譜面を覚えたり両手で微妙に違う指の動きをすることで、脳の幅広い領域が活性化し、ワーキングメモリが増える、認知能力が高まるなど、ピアノの脳科学的な効果が改めて注目を集めています。
一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会~ピアノって本当に脳にいいの?
音楽の習い事の中では教室数も比較的多いため、身近かつ本格的に取り組める習い事と言えます。
ピアノのメリット
・音感、リズム感、表現力など高い音楽性が養える ・譜面を覚えることで記憶力が育つ ・繰り返し練習する集中力や忍耐力がつく ・曲が弾けた達成感や自信を得られる
ピアノは手先と頭をバランス良く使うことによる知育効果がとても高いと言われています。
質の高い音楽性も育つことから、音楽が好きな子供の才能を伸ばすのに適した習い事です。
手先を思ったように使うことができたり、音のつながりを曲と認識できるようになる2歳頃から始めることが最適でしょう。
譜面や音符などをよく理解できるようになるのは3歳頃からが多いので、その頃からのスタートもおすすめです。
他の習い事に比べ自宅練習がメインとなる傾向にあり、課題曲を自宅で練習し次のレッスン時に講師に聞いてもらうという流れが多くなります。
自宅に練習できる環境があるかどうかという点も考えておくと、開始した後の練習もスムーズです。
またピアノは女の子のイメージも強いですが、知育に対しての早期教育の観点からは男女問わずおすすめできる習い事の1つです。
未就学児の習い事ランキング
上記資料によると、未就学児で人気の高いのはこの記事でも紹介しているスイミング・英会話・ピアノ・体操が入ってきます。
理由としても、「小さい頃から成功体験を得られる」「自己主張ができるようになった」「幼稚園とは違う人間関係ができる」ことが人気の理由となっています。
気になる習い事の費用は?
ここまでで人気かつ知育効果が期待できる早期教育でおすすめの習い事を紹介しました。
ただ習い事でやはり気になってしまうのが「費用はどれくらいするの?」という点です。
ここでは気になる習い事の費用について簡単に紹介していきます。
習い事に1ヶ月どれくらいの費用を使っている?
2019年に幼児から小学校6年生までに行った調査によると、子どもの習い事にかける月額の1人あたりの平均金額は月額13607円という結果です。
また今回のテーマである就学前の幼児については月額8644円となっています。
これは年齢が上がっていくにつれて習い事を掛け持ちするようになったり、年齢が高いクラスの方が月謝が高い傾向によるものです。
習い事の費用を解説
習い事ごとの費用としてはどのようになっているのでしょうか?
習い事の費用は、子供の年齢によるコースプランや運営する教室が大手か個人経営かなど様々な条件により違いがあります。
また後ほど紹介していますが、選手を目指したり大会に出場するような本格的なコースの場合は、必然的にレッスン料は高くなります。
料金体系は様々ですが、今回はご紹介した6つの習い事ついて平均的な月謝(受講料)を解説していきます。
リトミックの習い事費用
リトミックの月謝相場は3000~5000円と習い事の中では比較的リーズナブルとなっています。
使用する道具の購入費などがかかる場合もありますが、多くの場合教室に揃っているものを使用するので1000円~2000円程度と考えてよいでしょう。
教室に通うのも動きやすい普段着や靴でよいので特に追加経費がかかることも少なく、比較的家計に優しい習い事と言えます。
英語・英会話の習い事費用
英語・英会話の幼児クラスの月謝相場は6000円~8000円です。
レッスンプランによって金額に違いがあり、少人数のクラスになったりネイティブの講師になると料金が高くなります。
英語教室についてはスタート時に入会金やテキスト代がある程度かかる場合も多いので、お得なキャンペーンを活用したり資料請求、見学などを事前に実施するようにしましょう。
体操の習い事費用
体操教室の月謝は4000円~6000円ほどが一般的です。
場合によっては体操着やシューズなどの購入が必要となったり、怪我の可能性に備え保険加入が必要な場合があります。
本格的な選手を育成するコースや体操教室の場合は、月謝が高くなるケースもあり、大会費やユニフォーム費用などが必要です。
ダンスの習い事費用
ダンスの月謝は5000円~8000円が多い傾向にあります。
始める際に必要となるのはダンス用シューズや練習用の服などになりますが、通常の運動シューズや動きやすい服装でも代用が可能です。
こちらもプロのダンサーに習うような教室になると受講料は高くなる傾向にあり、発表会や大会などがある教室の場合は、参加費なども必要となってきます。
水泳の習い事費用
水泳の受講料の相場は6000円~8000円程度です。
自前のプールがあるスイミングスクールも多いですが、公共の市民プールなどを使う教室の方が料金が安い場合もあります。
始める際には水着や水泳キャップ、タオルなどの準備が必要です。
スクールバスがある水泳教室もありますが、無料のところもあれば別途料金が必要になることもあるので入会の際には一度確認してみるとよいでしょう。
他にも各スポーツジムで水泳教室を実施しているケースも多いため、チェックしてみましょう。
ピアノの習い事費用
大手の音楽教室や個人教室などがあるピアノですが、月謝相場は6000円~8000円程度となっています。
そのほかの経費としては楽譜代や、発表会がある教室などは参加費などが必要となる場合もあります。
前にも述べたように他の習い事に比べ自宅練習がメインの習い事になりますので、ピアノを習うにあたっては自宅にピアノ(電子ピアノ)を購入する方も多いようです。
ピアノは高価なものが多いので、慣れるまではリーズナブルな電子ピアノ、長く続ける場合には本格的なピアノの購入も視野に入れる必要があります。
習い事は多すぎるのはNG!子供に与える悪影響
習い事のメリットを知ったり周りから沢山の習い事をしている子供の話を聞くと、「子供にもっと習い事をさせた方がいいの?」と考える方も多いと思います。
少しでも多くの経験をさせたい、才能を伸ばしてあげたいという親心から習い事を沢山させたい気持ちはありますが、多すぎる習い事には注意が必要です。
ここでは多すぎる習い事が与える意外な悪影響についてお話しましょう。
子供が自由に使える時間がなくなる
習い事が多いと、子供は時間を拘束されたり家族と離れる時間が増えてしまいます。
特に幼児期は家族と一緒に過ごしたり自由に自分の好きなことをして遊ぶ時間がまだまだ恋しい時期です。
子供なりにリラックスして過ごせる自由な時間が少なくなることは、身体的、精神的な疲労につながることが考えられます。
また、子供自身が自分で予定を立てたり、「これをしたい」という意欲をもつことは自発性につながるという観点からも、習い事を詰め込まれることで受け身になってしまったり自己主張ができなくなるなどの弊害が生じる恐れもあります。
ひとつの習い事に集中しにくくなる
習い事が複数になってくるとその分ひとつの習い事にかける練習時間が短くなってしまいます。
結果的に、なかなか上達しない、中途半端になってしまう、執着心や興味の深さが減ってしまうといったデメリットが考えられます。
一通りこなしているように見えても、基本的に「あれもこれも」のマルチタスクが苦手な子供も多く、すべてを同じ集中力、同じだけの意欲を持ってこなすことは大人でも困難です。
子どもが興味を持っている習い事に集中して、一つのことを自信をもって出来るようになることが最適な形と考えます。
嫌な思い出として残ってしまう
習い事は子供が成功体験を通して自信をつけたり、自分の好きなことを見つけていく過程において大切な経験です。
本当に自分がやりたくてしている習い事なら良いですが、無理に多くの習い事をすることで負担感を感じていた場合、将来的に「忙しくて自由に遊ぶ時間がなかった」「やりたくないのにしていた」といった嫌な思い出になってしまう可能性もあります。
習い事を人生のプラスの要素にしてもらうためにも、積極的に子供の負担感を減らすような配慮をしていく必要があるでしょう。
多すぎる習い事は家族にもストレスに
子供の習い事が多すぎると家族の負担も増えてしまうことがあります。
多くの習い事に沢山の費用がかかると家計を圧迫する可能性もありますし、習い事の送り迎えやご飯を食べさせる時間、自宅練習の見守りなど1日のスケジュールが習い事中心になってしまいがちです。
子供の成長を最優先にしたい点はありつつも、親御さん自身の負担やストレスにならないかどうかにも目を向けるようにしてください。
習い事が多すぎる場合の対策
習い事が多すぎたりやりたい習い事が沢山ある場合はどうすれば良いのでしょうか?
考えられる対処法としては次のようなことがあげられます。
- 習い事に優先順位をつけ、子供と相談しながら本当にやりたいもの・必要なものに絞る
- ゴールや目標を決めておき、達成度を見極めながら卒業していく
- 自分で教えられることや自宅で出来ることを工夫する
- 通信教育やリモートレッスンなど自宅で手軽に出来るものを検討する
習い事にはどれにも魅力的なメリットがあり、色々なことをさせたい気持ちは、どの親御さんも持っている思いです。
ただ子供の気持ちや主体性を1番に考えながら、負担のないように取り組むことが習い事を長続きさせるコツであり、結果的に子供の才能を伸ばすことにも繋がっていきます。
子供の負担感をなるべく減らし、家族自身も無理なくサポートしていくのがベストな形と言えるでしょう。
習い事を嫌がる・やめたいと言った場合の対処法
習い事につきものなのが子供が習い事に行くのを嫌がったり、突然「辞めたい!」と言い出す経験です。
特に小さい頃は、遊びたい気持ちが先行してしまうため、習い事に対してネガティブな感情を持ってしまうケースも少なくありません。
ここでは子供が習い事を嫌がる・やめたいと言った場合の対処法について考えてみます。
まずは行きたくない理由を聞いてみる
まずは子どもに行きたくない理由を率直に聞いてみましょう。以下のような様々な答えが返ってくると思います。
- 頑張っても成果が出ない、上達しないことへの焦りやいら立ち
- 先生との相性が合わず練習が憂鬱になる
- 子ども同士の人間関係
- 遊びや宿題など他にやりたいことがある
- 体調がすぐれなかったり疲れている
- 内容が難しいなどクラスの難易度が子どもに合っていない
- 単純に習い事に興味がない、やりたくない
親からすると、子どもに対して思わず「そんなこと言わないの!」「行きなさい!」と言いたくなりますが、まずは落ち着いて本人に習い事に行きたくない理由を聞いてみることが大切です。
過剰反応はせず、どうして嫌なのか、何故行きたくないのかを聞いてみましょう。
解決方法を一緒に考える
子供が習い事に行きたくない理由が分かったら、解決する方法を一緒に考え対応していきましょう。
- 「とりあえず今日だけは頑張ってみよう」「一緒に練習してみよう」といった子供のやる気が出るような声掛けをする
- 習い事の先生に相談し、対処法を一緒に考えたり対応をお願いする
- 子供の負担にならないよう習い事の時間帯や曜日設定を見直す
- 習い事に一緒について行ってみる
- 好きなお菓子などご褒美でやる気を出させる
上記は、あくまで例となりますが、理由と合わせて子供の性格も考慮し対応してあげてください。
休んでリフレッシュしたり習い事を変えてみるのもあり
解決が難しいものであったり通い続けて子供のストレスになるようであれば、思い切って1日休ませてみたり、習い事自体を変えてみましょう。
習い事を休むことでリフレッシュしてやる気を取り戻すこともありますし、環境が本人に合っていない場合は、環境を変えることで意外とすんなり解決できるケースもあります。
習い事自体が向いていない、そもそも本人の興味がないと判断される場合は、他の習い事を検討してみるなど、子供の希望を聞きながら子供主体で決めていくと良いでしょう。
ただ嫌がれば簡単に辞めたり休むことができるという経験につながらないように、対応にも一定の留意は必要です。
知育効果を考えた場合に、受け身の状態で実施している習い事は効果も半減してしまいます。
子どもの変化にも敏感にキャッチして、ネガティブな気持ちを持っていないか常にチェックしてあげてください。
幼児の習い事を選ぶポイントは?
最後に、改めて幼児の習い事を選ぶときのポイントについてのまとめです。
子供の年齢や発達に合ったものかどうか
おすすめの習い事で述べたように、習い事の中には身体能力やコミュニケーション能力にある程度の成長度が必要である場合が多いです。
それぞれの習い事に大体の適年齢がありますので、その年齢の頃を狙ってスタートしたり適切なクラスプランを選ぶことで、子供もスムーズに習い事に慣れたり上達しやすくなります。
月齢とミスマッチが起きていると、知育効果が薄れるだけではなく、子ども自身もマイナスの感情を持ってしまいます。
子供の興味関心に合っているか
幼児期の習い事は技術の習得そのものもですが、達成感、自己肯定感、純粋な楽しさというものを大切にしていくことが1番のポイントと言っても良いでしょう。
この部分をおろそかにすることで、子供の負担になったり子供が辞めたがるといった悪影響に繋がります。
習い事が子供の興味に合っているか、楽しめているかを確認しながら、子ども視点で無理なく進めて行きましょう。
伸ばしたい能力で選ぶ
体力づくりをしたい、音楽性を養いたいなど子供の伸ばしたい能力で習い事を選ぶこともひとつの選択肢です。
今回紹介した通り、この能力だけというよりはひとつの習い事で色々な能力を鍛えることが可能な場合も多くあります。
長期的な目線から、子どもの将来に繋がる習い事を選んであげてください。
幼児の早期教育まとめ 「楽しさ」「やる気」を重視しよう
今回ご紹介したように、幼児の早期教育や習い事については、必ずしも必要というわけではありません。
ただ幼児の脳に関する科学的な根拠や期待できる知育効果から考えると、早期教育や習い事を実施するメリットは大きいです。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉があるように、どのような経験からであれ子供が自分から興味を持てるものを見つけ「これがしたい!」「楽しい!」という気持ちになることが大切です。
能動的に習い事に取り組むことで、才能の開花や自己実現につながっていきます。
将来子供がやっていて良かったと思えるものに出会える経験、できたという喜びを噛みしめるという経験を親御さん自身も子供さんと一緒に味わい、是非楽しんでみていただけたらと思います。