3歳までに脳が形成されるという話は有名で、どの家庭でもお子さんに対して知育玩具や絵本を使った脳の発達促進や親子のコミュニケーションによる知育を取り組んでいるかと思います。
その中でも知育玩具については国内外に様々なタイプの玩具があり、教育熱心な親御さんには色々な種類の知育玩具を与えているケースも珍しくありません。
ただ玩具を沢山持っている状態で、新しい知育玩具を次々に買い与えてしまうと、子供の想像力や創造性を高めることを阻害することに繋がります。
せっかく想像力や創造性を高めるために与えた知育玩具が、逆効果になってしまうことは避けたいですよね。
今回の記事では、玩具を与えることによりどういった影響があるのか、逆効果にならないために気を付けるべきポイントと対応策について、実際に数年間の幼児教育を通して得られた知識から、いくつか紹介していきます。
知育玩具の買いすぎ・与えすぎはNG!その理由とは?
知育観点の玩具は色々なジャンルを揃えたほうが、効果があるからついつい様々なタイプの玩具を与えてしまう・・というケースが一番多いです。
ざっとあげるだけでも以下のような知育観点の玩具の種類があります。
- 音の出る音楽のおもちゃ
- レゴブロックなどのブロックおもちゃ
- 積み木
- ぬりえ・お絵描きおもちゃ
- プログラミングトイ・タブレット
- はめこみ、図合わせ
- パズル
一つ一つの玩具は知育観点で脳の発達を促進するのに大変有効ですが、与えすぎにより様々なデメリットも考えられます。
まず2017年に発表されたアメリカのトレド大学の研究チームが発表した、おもちゃの数が与える研究結果でも、以下のような影響が見られることが分かっています。
・1歳半〜2歳半の36人の子どもを対象に調査を実施
The influence of the number of toys in the environment on toddlers’ play
・豊富なおもちゃは幼児の遊びの質を低下
・おもちゃの数を減らすと、幼児がより集中してより創造的に遊ぶのに役立つことが分かった
上記の研究結果以外にも、 英語の記事になりますが、子供の行動専門家の記事でも、多くの玩具を与えてしまうと集中力を下げるデメリットがあると書かれています。
上記2つで言われている内容の通り、知育玩具の与えすぎは子供の想像力向上を阻害してしまいます。これは知育玩具に限らず通常の玩具でも同様です。
他にも知育観点の玩具に限らず、玩具全般を与えすぎてしまうことで発生してしまう、様々なマイナスの影響について紹介していきます。
想像性や創造力を阻害する
繰り返しになりますが、一番の大きな影響は想像力や創造性を阻害してしまうリスクがあることです。
逆に玩具が少ない状態だと、いま遊んでいる玩具を使った新しい遊び方を発想したり、家庭にある様々なアイテムから玩具を作り出したり遊びに転換することが期待できます。
そういった違った遊び方に転換する考え方が、想像力や創造性を高めるために重要なのですが、玩具が子供の視界にたくさん見えている状態では、発想する時間も少なくなります。
買ってもらえることが当たり前の思考になる
子供は基本的に飽き性で新しいものを常に好む傾向が強いです。最初は遊んでいた玩具でもすぐに飽きてしまい遊ばなくなったり、新しい玩具を欲しがったりします。
飽きたときに、子供の要求に答えて新しい玩具を与えてしまうのはNGです。
子供は一度自分の要求が通ってしまうと、買ってもらえるのが当たり前の感覚になってしまい、感情のコントロールも苦手になってしまいます。
物を大事にしなくなる
多くの玩具を持っていると、一つ一つの玩具に触れる時間が短くなり、一つの玩具を大事に遊ぶことが出来なくなります。
更に1つ前でも話した通り、買ってもらえることが当たり前の状態になると、一つの玩具に対する愛着は更に低下してしまいます。子供の感情はブレーキが効きづらいので、悪化すると歯止めがかかりません。
また一つの玩具で遊び続けることで忍耐力を養うことにも繋がります。
集中力や注意力を弱めてしまう
想像力だけではなく、集中力にも多大な影響があります。余りにも多くの玩具が自分の傍にある状態では、次から次へと新しい玩具に興味がうつってしまいます。
いま遊んでいる玩具に対しても、様々な観点から発想力を使って遊ぼうとはせずに浅く遊んで、次の玩具にうつる行動を繰り返してしまいます。
子供の頃に多くの玩具を与えて、一人遊びを続けさせる行為を経験させてしまうと、成長した後にも集中力や注意力に影響してしまうので、注意が必要です。
感受性にも影響あり
玩具遊びばかりだと、絵を書いたり・音楽を聴いたりする時間が少なくなってしまい、感受性を育てる時間が少なくなってしまいます。
特に知育玩具は脳の活性化に非常に有効ですが、外での体を使った遊びも含めて様々な遊びをバランスよくできる環境を整えてあげましょう。
コミュニケーション力が育ちづらい
玩具が溢れかえっている状態は、玩具を使った一人遊びで手がかからないため、親から見ても楽です。特に家事が忙しい時間などではついつい玩具やテレビに頼りがちです。
ただ玩具が少ない子ほど家族や友達と人間関係を作る方法やコミュニケーションに費やす時間が長くなり、対人関係を築く方法を学んでいき、コミュニケーションを育てることに繋がります。
一人遊びで知育玩具を使って遊ぶことで、知育観点の効果を得ることも大事ですが、様々な関係性の人と多くのコミュニケーションを小さい頃から取っていくことも、将来の人間関係を作る力を育てる上では非常に重要です。
片付けの習慣が身につきづらい
玩具が少ない場合は、部屋がすっきりと保たれており、片付けの手間もかかりません。玩具が溢れかえっている状態と比べると子供が嫌がらずに片付けを行うようになります。
こういった習慣を子供のうちから身に着けておくことは非常に重要だと考えます。
知育玩具を与えすぎないようにするための考え方
玩具をたくさん与えてしまうことによって、子供に与えるネガティブな影響について説明してきました。
ただ気を付けていても、気が付けば子供の周りに玩具がいっぱいになってしまった・・という状況も少なくありません。
ここからは効果的な玩具の与え方や、環境づくりの考え方について、いくつかの観点から説明していきます。
多くの玩具を与えることによる影響を理解する
ここまで記載したとおり、多くの玩具の与えることによる影響を親が把握しておくことが何より重要です。
特に知育玩具は脳の発達を刺激することで、脳の成長に良い効果を促してくれますが、多く与えすぎることで逆効果になってしまいます。
特別な日だけに購入する
子供に与えている玩具の数だけではなく、新しく与える玩具の頻度も気を付ける必要があります。
影響部分に記載している「物を大事にしなくなってしまう」にも繋がってしまうため、購入する際は費用面だけではなく、子供に与える影響を考えて慎重に購入する必要があります。
少なくとも子供から見たときに、誕生日やクリスマスプレゼントなど" 玩具は特別な日だけに買ってもらえる貴重なもの"と感じるように気を付けましょう。
他にも好奇心が旺盛になり、様々なものに興味が出てくるタイミングで広げるような玩具を与えてあげるなど、成長過程において適切に与えることは重要です。
玩具が与える効果を理解して厳選する
例えば集中力や記憶力を養うためのパズル、手先の器用さやバランス感覚・思考力を養う積み木遊びなど、それぞれの玩具でどういった効果が得られるかを理解しておきましょう。
そして効果の重複する玩具を複数与えずに、最小限の玩具にすることがポイントです。
また遊び方の制限がないものを含めておくことも重要です。制限がないものとは粘土遊びやブロック遊びなど、玩具の遊び方が定まっていないものを指します。
遊び方が決まっている玩具は、遊び方が想像できやすいことから、想像力を働かせる時間が少ない=想像力を身に着けずらい玩具になります。
届かないところに収納しておく
子供が遊ばなくなった玩具や、一度興味が無くなった玩具は見えないところに収納しておきましょう。
出しっぱなしで子供がすぐに遊べる状況にしておくことは避けることが必要です。時折、子供の成長や興味関心の移り変わりに合わせて玩具を入れ替えてあげるのがよいでしょう。
プレゼント対策
与えすぎないようにするために、親の考え方や取り組みだけではなく、周辺環境にも気を付ける必要があります。
その中でも特に考えておきたいポイントとして祖父母や周辺の知人からの子供へのプレゼントがあげられます。
祖父母から見ると孫に喜んでもらいたい一心で、子供が好む玩具をついつい買い与えてしまいがちです。親が考えている以上に与えすぎてしまうことも少なくありません。
予め玩具の与え方による方針を伝えておく、プレゼントは玩具ではなく、筆記用具や洋服などしてもらうなどを行っておくことをおススメします。
玩具に飽きたとき
子供がなかなか玩具を遊んでくれないときも、つい興味が強い玩具を一緒に与えてしまい、玩具が溢れてしまうこともあります。
そういった場合は一度子供が触れないところに隠しておいて、いまの玩具に飽きるタイミングで入れ替えて上げるなど考慮してあげましょう。
知育効果を優先して、子供の興味が薄い状態で無理に遊ばせようとするのはNGです。
遊ばない時の対策は以下にまとめていますので、当てはまる方は是非チェックしてみてください。
手作りの玩具を作ってみる
玩具は買い与えるばかりではなく、手作りの玩具を親子で作ってみることもおススメです。
作っている過程で想像性が養われますし、一緒に作ることで貴重な親子のコミュニケーションの時間にもなります。
世界中の家庭で実験されている「試しにおもちゃを全て無くしてみるとどうなったか?」の実施結果としては身近にある料理器具や家具、紙とはさみなどを使い、おもちゃにして遊び始めるそうです。
配送で使われる段ボールを使って遊び始める子供を見たことある方も少なくないと思います。
手作りの玩具の良いところは、子供自身が玩具に愛着を持って遊んでくれる点です。どういった玩具を作るか?から子供と相談してみましょう。
以下のようにyoutubeでは様々な手作り玩具の作り方が紹介されています。家にあるアイテムだけで作れるおもちゃも多いので、休みの日などに親子で挑戦してみてください。
おもちゃ屋に行かない
子供は新しいものが好きなので、おもちゃ屋さんに行くと、その場の感覚で欲しいおもちゃが出てきてしまいます。
当然親が考えている知育観点の玩具と、子供の興味が強い玩具は一致しないため、意味のない玩具を増やす要因になってしまいます。
もちろん誕生日やクリスマスプレゼント選びにおもちゃ屋さんに連れて行くのは問題ありません。不必要におもちゃ屋さんに連れて行くのは避けましょう。
新しい玩具を購入したら古い玩具を処分する
最後に遊ばなくなった玩具や、特に成長が進んで年次が合わなくなった知育玩具は出しっぱなしにせず、収納しておきましょう。
今後遊ぶことが無い玩具は思い切って寄付や処分することをお勧めします。溜まっていく一方になるため、見直すタイミングを作って定期的に見直すのがよいでしょう。
- 子供の興味関心の移り変わり
- 新しい玩具が増えたタイミング
- 子供の成長に合わせて。年少から年中に切り替わるタイミングなど
もちろん沢山遊んだ玩具は、子供から見ると過去の時間や一緒に遊んだ人との思い出が詰まっている玩具もあります。
寄付や処分をする際には子供に確認するようにしてください。
想像性は子供の将来に非常に重要
子供が将来大人になって、どういった職種についたとしても、成功するために欠かせない能力が想像性やクリエイティビティです。
AIの発展など日常も大きく変化を遂げてきていますが、想像性が豊かであるほど変化に強い人になります。
変化に強く、自分一人で生き抜いていく力を育てるためにも、子供に与える玩具の重要性を理解すること、そして与えるだけではなく与えすぎによる影響も把握したうえで、適切なタイミング・玩具を与えてあげてください。
知育玩具に関するアンケート紹介
最後に本サイトが独自にアンケート集計した知育玩具に関するアンケートを紹介します。
実際に知育玩具を購入した経験のある20~50代の100人によるアンケート結果です。
【調査概要】
調査目的:知育玩具の選び方
実施者:Moment Tech
調査方法:インターネットによるアンケート
調査母数:100人
有効回答数:100件
調査対象者:20~50代男性・女性(知育玩具の購入経験者)
調査実施期間:2020年7月
知育玩具はお子さんが何歳から与えていましたか
やはり知育玩具に触れるタイミングは早いほど良いという部分もあり、0歳・1歳で73%となっています。2歳を含めると90%以上です。
握る・見る・聞くなど0歳から開始できる知育玩具も多いことと、知育効果の期待からなるべく小さい頃から与える事を意識していることが分かります。
知育玩具はどういった観点で選びましたか?
実際にどうやって知育玩具を選んだかという質問に対する複数回答の結果です。
多くの方はおもちゃ屋さんに行って選んだこと、またインターネットや知人・家族からの評判を元に決めていることが分かります。
また知育玩具は祖父母や親類、知人からのプレゼントとして選ばれることも多く、約4人に1人がプレゼントでもらった経験があると回答しています。
知育玩具を選ぶ上で一番重視した点は何ですか?
こちらの回答は「子供が好きそうな玩具」で過半数を占めていました。
知育に効果があってもお子さんが積極的に遊ばないと意味がないことから、子供に合うかどうかを重視している事が分かります。
2点目は知育に効果がありそうかという点です。「知育玩具を選ぶ」という前提のため、当然入ってくる回答ではありますが、子供の興味をまずは優先していることが分かります。
逆に知育に関してはブランドや価格に拘りを持っている人が少ないという点もアンケート結果から分かる内容です。
知育玩具を選ぶ際に困ったことはありますか?
こちらは複数回答で選ぶ際に困ったことについての回答です。
子供が遊んでくれるか、知育観点で何を選べばよいかという悩みを抱えている方は多く、知育玩具を選ぶ観点と近い回答がそのまま課題となっていることが分かります。
また知育玩具は通常の玩具に比べて高価になることも多く、価格面での課題も大きいです。
上記のような知育玩具に関する課題を解決するためにサブスクリプション(サブスク)サービスと呼ばれる月額の定額制サービスも非常におすすめです。
知育玩具のサブスクリプションサービスとは
サブスクリプションサービスでは知育観点でバランスよく選んでくれること、通常の店舗では購入できない知育玩具が対象であること、成長に合わせた玩具が届くなどメリットは非常に大きいです。
膨大なデータによる個別プランニングや、知育プロが選ぶことから課題として大きい「子供が遊んでくれるかどうか」・「知育観点で効果があるか」の2点に加えて、利用しなくなった際の収納面でもメリットがあります。
高価な知育玩具を買ったけど遊ばなかった・・という費用面も不安も無くなります。興味があればぜひ参考にしてみてください。